一人暮らしから結婚で脱出

一人暮らし、慣れた?「ええ、お蔭さまで。それも皆、アパートの住人、皆々様、御親切のお蔭。御恩、一生忘れませぬ」

大袈裟さ。俺こそ、先輩気取って色々迷惑かけたと、反省を。「貴方様のお気遣いで、色々と助かり。言葉も見あたりませぬ」一人暮らし、えーもんやろ?

「はい。親元を離れ、不安MAX。右、左も分からぬ状況生活。よもや慣れ親しむ日が、今生で来ようとは。我が世もすっかり満開、咲き誇る桜並木の様な気分で」

おう、流石えーとこの娘さんじゃ。言葉も上品、おいらの会話相手にゃ、勿体ねー位。「一人暮らしをこうも無事出来たのは、権助様が親切して下さったお蔭。感謝、尽きませぬ」

じゃ是非、我が家へ嫁に来んか?「は?今、何と?」お互い一人暮らしじゃ、寂寥感も募る日々。どうじゃ?夫婦の契りを結び、余生を過ごす。悪くねー提案!

「えっと、申し訳ありませぬ。他、心に決めた方が」断る?冗談!今迄の苦労、全部無駄!「苦労?」案内料含め、慰謝料を請求する!「そんな…」当然の報いさ。